赤ちゃんに出会うためのライフスタイル:10月の注意点&お灸のツボ
妊活:今月の注意点寒暖の差も落ち着き、毎日過ごしやすい季節になりました。
一日も早く赤ちゃんに出会えるように、10月は下記のことに気を配りながら治療後をお過ごしください
★秋は肺が弱りやすい時期です。肺は「悲しみ」の感情に影響されやすい臓器です。冬に向かって日が短くなってくる10月は気持ちが落ち込みやすく、肺が弱り風邪をひきやすくなります。悲哀感や抑うつ感を感じたら、散歩をするなどして気分転換するよう心がけましょう。
★乾燥対策を始めましょう。肺は乾燥に弱く、肺の機能が弱ると皮膚にも影響が出てきます。皮膚が乾燥しバリア機能が弱ると、アレルゲンを身体に取り込みやすくなり、免疫バランスを乱してしまいます。免疫バランスの乱れはアレルギー症状を引き起こすだけでなく、受精卵が着床する際にも影響を及ぼします。加湿器を使用したり、外出の際はマスクをするなど乾燥対策を始めていきましょう。肺を強くする大根や梨、レンコンなどの白い食べ物もオススメです。
★10月〜11月に妊娠すると流産の確率が低くなるというデータがあり、実りの秋であるこの季節はなんと妊娠率が四季の中で一番良いと言われています。繁殖期がはっきりした動物がいるように、私たち人間にも繁殖に適した時期があるのかもしれません。秋の夜長を、夫婦仲良く楽しんで下さいね 😀
今月の灸点 「合谷 ごうこく」
肺が弱りやすい10月は、「合谷」がおすすめ。場所は手の甲、親指と人差し指の骨の間にとります。人差し指の骨のだいたい中央にとるとわかりやすいです。押す方向は親指方向ではなく、人差し指の骨に向かって押すのがポイント。手の平にズーンと響く感じを出すように押してみて下さい。
ここは大腸の経絡に属するツボですが、東洋医学的に大腸と肺は密接に関係しており、肺の症状がある時にもよく使うツボです。気の巡りを良くする効果もあるため、肺の機能を高める他、便秘症状や頭痛・イライラ・胚移植後の着床を促す際にも使っています。
押しやすい場所なので、お仕事の合間などに頻繁にマッサージするのがおすすめです。
ただし妊娠中は、刺激過多になりやすいので控えて下さいね。
東洋医学では、四季折々に適した生活を送ることによって健康を保てると言われています。
10月は合谷のお灸で気を巡らせてしっかりケアをしましょう!
エルジャポン11月号に掲載されました
メディア掲載こんにちは。
夕方には虫の声が響きはじめ、少しずつ秋を感じるようになってきましたね。
今日は皆さんにお知らせです。
エルジャポン11月号の保存版ヒーリングサロンベスト100の中の症状別で選べるお助けサロンに、『婦人科系疾患に悩む人のサンクチュアリ』として当院をご紹介いただきました。
175ページをどうぞご覧下さい🎵
待合室にハロウィンがやってきました
待合室の季節のお花皆様こんにちわ。
当院の待合室に可愛らしいハロウィンがやってきました。
テーマは『HALLOWEEN おばけの森』
『日もとっぷりくれた頃、しんと静まりかえった森からなにやらごそごそ・・・。
HALLOWEENDAYにゆかいなオバケたちが木々の間から顔をのぞかせている、そんな様子を表現してみました。』
華道家の島田光和さんからメッセージをいただきました。
カボチャのオバケやキュートなフランケンシュタイン達が秋の収穫をお祝いしているようです。
美味しそうな秋の実りが、冬を乗り切る活力を与えてくれるようです。
ぜひ皆さんも、待合室でハロウィン気分を味わって下さいね。
東京都港区在住 H様(33歳)、夫のために早く妊娠したい…願いが叶った3回目の妊娠は無事に安定期へ。
患者様のお声 〜妊娠報告〜皆様こんにちは。
当院に通院して妊娠された患者様のお声をお届けいたします。
H様(32歳)、ご主人と20歳以上年齢が離れていることから、ご結婚後すぐに病院に通われました。ご夫婦とも検査を受け、とくに問題がなかったためタイミング指導から始まりました。半年ほど経過し初めて妊娠陽性反応がでましたが化学流産でした。そして翌周期から人工授精にステップアップすることにされました。
人工授精1回目、前周期に続き妊娠陽性反応がでました。しかし、このときも3日後には生理がきてしまいました。
そして、当院には2回目の人工授精を行なう数日前に来院されました。ご主人のために1日でも早く妊娠したいという思いが鍼灸治療をするきっかけになったそうです。
病院でタイミング指導を受けながら判明したのが、排卵をしていない周期があるということでした。そしてPCOS気味であることも指摘があったそうです。しかし、当院にいらしたのが人工授精の数日前であったこともあり、まずは今回成長している卵胞と内膜のクオリティ向上にフォーカスした治療を行いました。
そして数日後、人工授精を受けられた日に「着床鍼」を受けていただき、翌週以降もしっかりとお身体をサポートさせていただきました。
そして月経予定日。妊娠検査薬を使い陽性が出たと報告がありました。
H様は当院にお越しになる前、2周期続けて妊娠反応がでていながら残念な結果になってしまいましたので、ここからが大切な時期です。胎児と母体を安定させる治療「安胎の治療」が重要である旨のご説明をし、妊娠を維持できるようサポートさせていただいたいとお伝えしました。そして継続して鍼灸治療をお受けいただき、胎嚢確認、心拍確認と順調に進んでいきました。
現在は、無事に安定期を迎えていらっしゃいます。
①当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化してきましたか?
その時その時で色々とトラブルがあり(つわり、腰痛、手足のむくみ、しびれなど)その都度それに合わせた治療をして頂けるので、その後はすぐに症状が軽くなり、安定した妊婦生活が送れています。
②当院に通院して1番良かったこと嬉しかったことは何ですか?
妊娠生活における注意点を細かくアドバイス頂けたことです。病院の健診ではいつも診察のみで色々と不安があるので、とても心強く安心できました。(あと、担当して下さっている方が同じ地元出身だったことが嬉しかったです!)
③治療中の過程で、印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。
私は中期でむくみが出現し、両手がしびれることがありました。その時はしびれに対して集中的に治療して頂きました。翌日から全くしびれが無くなり、とてもびっくりしました。
④同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。
妊娠するまでは、体質改善に向けたアドバイスや治療をして下さるし、妊娠後は妊娠生活が安定できるよう色々と親身になって下さります。私は通院しているお陰で安定した毎日が送れていると思っています。ぜひ通ってみて下さい!
H様、ご協力ありがとうございました。出産までしっかりサポートさせていただきます。
赤ちゃんに出会うためのライフスタイル:9月の注意点&お灸のツボ
妊活:今月の注意点9月は暑さのピークも落ち着きはじめ、だんだんと秋らしさが出てくる季節の変わり目です。
一日も早く赤ちゃんに出会えるように、9月は下記のことに気を配りながら治療後をお過ごしください
★暑かったり寒かったり、台風が来たり…気圧や気温の変化が多い秋は自律神経のバランスが乱れやすく、体調を崩しやすいとき。また自律神経の乱れはホルモンバランスにも影響を与えてしまいます。こんな時期には耳のマッサージがオススメです。両耳を手でつかんで前後にクルクル動かしてみましょう。耳周りの血流を改善させることで、気圧の変化に体調が振り回されなくなります。
★秋は、冬に向けて身体のエネルギーを蓄えていく季節です。あれもこれもと忙しくして気を消耗しすぎてしまうと、冬にエネルギーが足りなくなってしまいます。食欲の秋でもあるこの時期はしっかりとバランスの良い食事を心がけ、規則正しく休息を取りながら元気を補充していきましょう。
★今年の夏はしっかりと汗をかけましたか? 冷房の効いたオフィスやお部屋にいることが多かったり、運動不足でほとんど汗をかかないまま秋を迎えてしまうと、発散されずに残った身体の熱が肺に影響を与え、風邪をひきやすくなります。肺が弱ると全身の気の巡りにも影響するため、排卵サイクルに悪影響が出ることも。下記で紹介するツボを使ってしっかりとケアをしていきましょう。
今月の灸点 「尺沢 しゃくたく」
9月は、肺が弱りやすい時期です。「肺気」の巡りが悪くなると、風邪をひくだけでなく身体の水分の流れも悪くなります。するとむくみ・冷え・下痢などを引き起こし、妊活中の身体にも影響を与えてしまいます。
そんな時には「尺沢」がおすすめ。場所は肘の内側、関節のシワ沿いの親指側にとります。押すとズーンと響くような痛みはありませんか?
尺沢にお灸をすえると、肺の機能を元気にし、咳や喉の痛みを改善させます。
また尺沢は合水穴と言い、水に関係するツボです。川から海へと水が流れ込む場所で、肺の経絡の気が溢れる水のように集まるツボです。潤いを与え、滞った水の巡りを改善させる効果もあるので、妊活中にむくみや冷えがある方にもオススメです。
仕事中等には、鉛筆や爪楊枝の先でチクチク刺激をするのも効果的です。
東洋医学では、四季折々に適した生活を送ることによって健康を保てると言われています。
9月は尺沢のお灸で肺が弱らないようにしっかりケアをしましょう!
東京都品川区在住 N様(30歳)、不安な気持ちやストレスから解放され通院4ヶ月、待望の妊娠。
患者様のお声 〜妊娠報告〜皆様こんにちは。
当院に通院して妊娠された患者様の声をお届けいたします。
N様(30歳)、ご結婚されて一年、ご夫婦ともに忙しい日々を送っている中で初めて妊娠が判明しました。しかし妊娠8週目に心拍が確認されず残念ながら流産となりました。そんな中、ご主人の転勤のため、ゆっくりと休息を取る間もなく東京にお引っ越しをされたそうです。
新しい環境での生活が整い始めた頃、2回目の妊娠反応。しかし、その後にすぐ月経が始まってしまいました。病院で検査を受け低AMHとフェリチンが少ないことが判明しましたが、フーナーテストでは問題が無かったことからタイミング指導がスタート。
妊娠に至らないまま数ヵ月が経ち、何かできることがないかと調べているうちに当院のことを知り不妊鍼灸治療に興味をお持ちになったそうです。
初めてのカウンセリグでは、流産、慣れない環境での生活、そして妊娠したいのにうまくいかないなどの不安やストレスについてゆっくりと打ち明けて下さいました。
N様は治療を続けていくうちに、お身体が浮腫みにくくなってきたり、会話の内容がポジティブになるなど心身共に変化がでてきました。そして通院を始めてから4ヵ月、ついに自然妊娠することができました。N様の場合は、ここからがとても大切な時期。流産を予防するための「安胎の鍼灸治療」を受けていただき無事に安定期に入りました。
現在は安産に向けて、鍼灸治療を継続されています。
①当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化してきましたか?
セラキュアさんに通院するまで婦人科に通っていたものの、妊娠に至らずストレスを感じていましたが、リラックスできるようになりました。様々なアドバイスを頂くことで、『妊娠の為ではなく、自分の体質改善のために出来ることをやっていきたい。』という前向きな意識に変えていくことが出来ました。
②当院に通院して1番良かったこと嬉しかったことは何ですか?
毎回丁寧なカウンセリングをして下さる点が良かったです。不調をお伝えするとそのつどアドバイスを頂ける点もとても参考になりました。
悩んでいることもしっかりと受け止めて下さり、とてもリラックス出来ました。
結果的に妊娠に至ることが出来て、嬉しく思っています。
③治療中の過程で、印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。
初めて伺った時、しっかりとカウンセリングをして下さったのでとても安心出来ました。
体質の改善には3ヶ月頑張りましょうとはっきり言って下さったこと。
何でも話して下さい。と言って下さったのでおまかせしたいと思えました。
そして妊娠が分かって一緒に喜んで下さったことも嬉しかったです。
④同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。
不妊治療中は周りに話しづらく、一人で抱えてしまうことも多いので、こちらで相談出来た点も良かったかなと思っています。
私は、婦人科とはまた違う視点から治療を受ける事で、自分の生活習慣の見直しが出来て良かったです。
N様、ご協力ありがとうございました。引き続き安産になるようしっかりサポートさせていただきます!
ミトコンドリアと妊活
不妊治療の最新ニュース子供の頃、理科の授業で習ったミトコンドリア。
なぜ、ミトコンドリアが妊活に重要なのでしょうか?
ミトコンドリアは、エネルギーを作り出す工場です。体重の10%を占めていて、体全体のミトコンドリアを集めると、なんと頭と同じ重さになります。
脳や筋肉、肝臓、腎臓といったエネルギー要求度の高い重要臓器の細胞には、数百〜数千ものミトコンドリアが含まれています。特に卵子には多く含まれていて、10万個前後も存在すると言われています。卵子はそれだけたくさんのエネルギーを必要としている、ということですね。
ミトコンドリアは加齢により質が低下し、量も減少していきます。そうすると、体内で作られるエネルギーが不足してきます。最近疲れやすくなったなと感じている方は、もしかしたらミトコンドリアの活力の低下が関係しているかもしれません。
ミトコンドリアは、卵子の活性や成熟から受精に至るまでのエネルギーを作ります。ミトコンドリアの元気が無いと、その一連の流れがうまくいかなくなるため、卵子の減数分裂や受精、胚発育が妨げられることとなります。
2015年12月にはミトコンドリアを実際に使った最新の不妊治療として「オーグメント療法」が日本産婦人科学会倫理委員会にて臨床研究として承認されたと報告がありました。翌月の2016年1月には関西のクリニックで実際に治療が開始されています。
オー グメント療法(Autologous Germline Mitochondrial Energy Transfer (AUGMENT)) とは、卵子の中にあるミトコンドリアが卵子の質と大きく関与している事に着目し、本人の卵巣組織から卵子前駆細胞を抽出し、その細胞から元気の良いミトコ ンドリアを取り出し、顕微授精時に精子と共に注入し、体外受精の成功率を高めるという方法です。
胚の分割が途中で止まってしまったり、その結果として胚盤胞が出来ないような患者さんが対象となります。また、胚の中に多くの細胞のかけら(フラグメントといいます)が存在するためグレードが悪く妊娠できない方も適応になります。46歳以上になると核異常の頻度が高くなり、ミトコンドリアのある細胞質の改善をしても思った効果が得られない可能性が高いので、原則は45歳までとされています。現在までにカナダ、スペインなど海外5ヶ国で250症例以上が実施されており、31名の児が出生しています (2016年7月現在)。
つまり、ミトコンドリアの量や質を良くし元気にすることが、
では、どうしたらミトコンドリアを活性化できるのでしょうか?
お金をかけず、簡単にチャレンジできる方法がありますので、ご紹介します。
①空腹感を感じる
過食はミトコンドリアの質を低下させてしまいます。ポイントはAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)という飢餓状態で働く酵素。この酵素がPGC1αというたんぱく質を活性化し、ミトコンドリアは作られますが、『満腹』状態になるとAMPKが働かずミトコンドリアが作られなくなってしまうのです。
そこでおすすめなのが、『プチ断食』です。1日のうち食べる時間を4〜8時間、食べない時間を16〜20時間とし、空腹感を感じて食事を摂るようにされると効果的です。
ただし、空腹のあまり急激に大量の食事を摂取してしまうのは逆効果ですのでご注意くださいね。
②有酸素運動
ややきつめの有酸素運動をすることで最も有効的にミトコンドリア が増加すると言われています。
効率的な運動方法があるのでご紹介します。
- 30秒小走りで走る。
- 脈が整うまで約1分間歩く。
- また30秒小走りで走る。
これを5分ほど続け、汗が出てきたら有酸素状態になっているサインなので、それから30分以上有酸素運動をおこなってください。
③朝日を浴びる
朝目覚めたらカーテンをあけ太陽の光を浴びましょう。できれば、5〜10分間『気持ちいい〜』と言葉に出し、背伸びをしてみてください。それだけでミトコンドリアは活性されます。
太陽の光は、体内時計を整え、セロトニンやメラトニンというホルモンをつくってくれます。
メラトニンは睡眠ホルモンとして、セロトニンは心を鍛えバランスを整えるホルモンとして有名ですが、その他にミトコンドリアを減らす天敵「活性酸素」を除去する働きがあります。
④短い時間で身体を冷す
お風呂から上がる時に冷水シャワーを浴びる、水風呂に入る、冬にTシャツを着る、など短時間で身体を冷すとミトコンドリアが活性されます。冷水シャワーの場合、温かいシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びるとより効果的です。心臓が弱い方は避けて下さい。妊活中は、下半身の冷し過ぎにもご注意ください。
⑤鍼灸・マッサージ
マッサージによって筋細胞内でサイトカインと呼ばれる炎症性蛋白(たんぱく)の活性が減少し、新たなミトコンドリアの増殖が促進されることが報告されています。この研究は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス ・トランスレーショナル医療)」オンライン版に2月1日掲載されました。鍼治療は、マッサージ同様サイトカインを抑制する事ができるので、ミトコンドリアの増殖促進の効果が期待できると考えられます。当院では鍼灸治療に加えて、指圧による筋肉の調整も一緒に行なっていますので、より効果的です。
ミトコンドリアが妊娠する為にとても大事なものだとお分かりいただけましたでしょうか?
食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。
待合室のお花がトロピカルに
待合室の季節のお花皆様こんにちは。
当院の待合室のお花が、トロピカルな夏バージョンとなりました。
今回のテーマは『椰子の木陰でほっと一息』。
『南の島に美しく咲くハイビスカスとプルメリア。そしてアレカヤシの葉。風になびいて、木陰は気持ち良さそう。真夏の東京は猛暑ですが、セラキュアのヤシの木かげでひと休みして元気を取り戻して頂けたらうれしいです。』
と華道家の島田光和さんからのメッセージをいただきました。
なかなかお忙しくてご旅行へ行く時間がない方もおられると思いますが、ぜひバケーションに来た時のように日常のストレスを忘れゆっくりとくつろいでいかれてください。
八重のハイビスカスも治療院のどこかに飾ってありますので、見つけてみてくださいね🎵
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と妊活
不妊と関わる病気PCOSと戦いながら妊活をされている方がここ数年増加しているように感じています。
PCOS=多嚢胞性卵巣症候群とは、未熟な卵胞が卵巣にたくさんみられ排卵がスムーズにいかない状態です。LHや男性ホルモン値が高い、毛深い、ニキビができやすい、肥満などのサインがみられなくても、未成熟卵や空胞卵、遺残卵胞に悩まされている女性が多くいらっしゃいます。
この疾患は、血糖値の状態と関係していると言われています。血糖値と言うと糖尿病を連想しますが、実は生殖ホルモンとも大きな関わりがあります。
食べ物のほとんどは消化されてグルコースという糖になり、膵臓から分泌されるインスリンの力を借りてエネルギーとして細胞で消費されます。摂取される糖分が多すぎると、細胞がインスリンに反応しない状態になってしまうことがあり、『インスリン抵抗性が高い状態』または『高インスリン血症』と呼ばれています。
日本人のインスリンを分泌する能力は欧米人に比べて低く、その結果肥満でなくても血糖値が高い方が多くいます。さらに最近では、日本人の食生活が欧米化しているということも影響し、PCOSや糖尿病のみならず、インスリン抵抗性が高い方が増加しているのではないかと思います。
血中のインスリンが多い状態が続くと男性ホルモンが増えてしまい、視床下部や下垂体から出る生殖に必要なホルモンのバランスが乱れ、妊娠しづらくなります。
このような症状でお悩みの方は食生活や生活習慣を変える事はもちろんですが、鍼灸治療を定期的に行うことでホルモンバランスや月経サイクルが改善されたという研究結果もあります。
PCOS女性に対する鍼灸治療の効果がスウェーデンの研究で示されたのでご紹介したいと思います。
鍼灸治療によって、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)による月経不順が緩和したり、テストステロンレベルが低下する可能性のあることが、スウェーデンで実施された試験で明らかになりました。 英語のサイトはこちら→☆
84名のPCOSの女性をランダムに3グループ、低周波の電気鍼による鍼灸治療を4か月受けるグループ(33名)、心拍数のモニターを与えられ、週 に3回の運動に取り組むグループ(34名)、そして、運動と食事改善の重要性を指導されただけで何もしなかったグループ(17名)に分けたところ、鍼灸治 療を受けたグループと運動に取り組んだグループの女性は、筋交感神経活動が低下し、鍼灸治療を受けたグループの女性は、他のグループの女性に比べて、さら に、月経不順が改善されたり、テストステロンが低下が確認された女性の割合が高かったとのこと。
PCOSの女性の中には自律神経のバランスが崩れている方が多く、今回の試験では鍼灸治療で交感神経の優位が緩和されることで症状の改善につながる可能性が示されました。
PCOSの方の不妊治療法は排卵誘発剤を使い卵胞の成長を調整しますが、これはあくまでも対処療法となります。鍼灸治療で根本的に体質を改善をし、食事や運動などのライフスタイルを見直す事が妊娠力アップに繋がります。
当院では、一人一人の患者様のライフスタイルに合わせた食事や運動の指導も行っていますので、ぜひご相談下さいませ。
次回はPCOSの方へのおすすめの食事法をご紹介致しますので、お楽しみに♪
赤ちゃんに出会うためのライフスタイル:7月の注意点&お灸のツボ
妊活:今月の注意点あと数週間で梅雨が明ければ、夏本番! 暑さに負けずに元気に過ごしていきたいですね。
一日も早く赤ちゃんに出会えるように、7月は下記のことに気を配りながら治療後をお過ごしください
★暑くなることで身体の中に熱がこもりやすくなります。しっかりと汗をかいて熱を発散していきましょう。早朝の有酸素運動(ウォーキング)がオススメです!
★冷たい食べ物を避け、夏野菜をしっかり摂りましょう。暑いからといって冷たい物ばかりを口にしていると胃腸の調子を悪くしてしまいます。夏野菜には、身体を冷してくれる効果があり、夏バテを防いでくれるビタミンも豊富。冷たい物を食べるのではなく、夏野菜をたくさん摂って身体の熱を冷ましていきましょう。ただし冷え症の人は、食べ過ぎに注意して下さいね。
★冷たい物をゴクゴク飲まないようにしましょう。どうしても冷たいものが欲しい時には、氷をひとかけら、口に含んでみてください。
★冷房に要注意! 室内では膝掛けやレッグウォーマーなどを使い、下半身を冷さないようにお過ごしください。薄手のカーディガンなども持ち歩いて電車内の冷房対策も万全に!
今月の灸点 「復溜 ふくりゅう」
身体に熱がこもった状態が続くと、身体のうるおい分が蒸発して減りやすくなります。すると自分の力で熱を発散することができなくなり、どんどん身体の熱は増していきます。
そのため7月の暑い季節には、のぼせやすかったり寝汗をよくかくなどの症状がよくみられます。
そんな時には「復溜」がおすすめ。場所は足首の内側にあり、内くるぶしから指3本分上、アキレス腱の前にとります。
復溜にお灸をすえると、身体の潤い分を増やし熱を冷ましてくれます。
さらにこの潤い分は卵子が育つ際に必要な栄養分にもなっていたり、子宮内膜の潤いにも関係しています。のぼせや寝汗の症状のある方はそのままにせず、しっかり改善しましょう。
東洋医学では、四季折々に適した生活を送ることによって健康を保てると言われています。
7月は、暑さで熱がこもりがち。潤い分を増やして身体のバランスを整えましょう。