4月です。クリニックでの不妊治療が保険適用になりますね!

4月です。クリニックでの不妊治療が保険適用になりますね!

不妊治療の最新ニュース

令和4年4月から不妊治療の保険適用が始まりました。

患者様の中でも、「4月の採卵に備えて体を整えたい!」ですとか「ステップアップを検討している!」などお伺いすることも多くなってきました。

ただ、すべての不妊治療クリニックで保険が適用になるわけではなく、いくつかの不妊治療クリニックでは、今まで通り自費診療になるところもあるようです。

また患者様が希望される場合のみ、保険診療が可能というところもあります。

 

経済的負担が大きかった不妊治療ですが、保険適応になるとかなりの費用削減が見込まれ、より多くの方がアクセスしやすく、ステップアップも検討しやすくなったのではないでしょうか。

 

ただ一回のサイクルで自費と保険の混合治療はできないため、保健治療を選択すると以下のデメリットがあると両角レディースクリニック院長の両角先生がブログでおっしゃってました。

○使用できる薬剤や治療法は限りがあること(国が定めているため)

○成績重視の治療が行えない可能性がある

○最新の治療法を行えないケースがある

○PGTーAは今のところ保険適応外

東京リプロダクションクリニックの松林先生のブログでは、世界最先端の治療のクオリティを保つため、自費で行われると記されておりました。

他のクリニックに通われている患者様が担当の先生に質問したところ、「薬が変わるだけで効果は変わらない」と言われた方もいらっしゃいました。

皆様も、通院中のクリニックに、治療の効果や内容についての確認が必要になりそうです。

 

私たちが調べた限りでは、下記のような情報がありました。

現時点での概要なので、今後変更もあるかもしれません。

ぜひ、ご参考にされてみてください。

 

Q、今回新たに保険適用となったものは?

①タイミング療法

②人工授精

③体外受精

④顕微受精

⑤男性不妊の手術:精巣内精子採取術(TESE)など

※③~④は令和4年3月までは助成金対象でした。

 

Q、その他に保険適用となるかもしれないものは?

実施される可能性があるものとして、下記のものが載っていました。

●卵子活性化

正常な受精反応が起きる時に、卵子の内部のカルシウムイオン濃度が上昇することが知られています。

カルシウムイオン濃度の上昇は精子が引き金になって起こる現象で、

反対に精子に何らかの問題がある場合、カルシウムイオン濃度が上昇せず、卵子が活性化しないため、受精に至らないケースがあるようです。

活性化処理には、「カルシウムイオノフォア」「ストロンチウム」「電気刺激」などがあります。

●AHA:アシストティッドハッチング(透明帯開孔法)

孵化を助けてあげるもの。

卵の殻である、透明帯の一部を薄くし、穴を開けることで、着床率の向上を図る方法です。

透明帯は、凍結融解や加齢によって硬くなるとされています。

●高濃度ヒアルロン酸含有培養液(エンブリオグルー等)

子宮内膜には、ヒアルロン酸が存在し、受精卵の着床を助けています。

胚盤胞の着床を促進、また受精卵の保護効果があります。

 

Q、年齢制限はあるの?

不妊症と診断された男女で治療開始時点の女性の年齢制限について

□40歳未満:最大6回まで

□40~43歳未満:最大3回まで

 

※子供1人につき

※事実婚も含む

※所得の制限はない

また、1回の治療期間の初日における妻の年齢が43歳以上で開始した治療は全て対象外です。

 

Qその他、対象外は?

また、「再三者の精子提供による人工授精」「第三者の卵子・胚提供」「代理懐胎」はまだ、対象外のようです。

 

Q、その他のオプションは?

追加で実施される可能性があるものとして、下記のものが載っていました。

●PICSI

ヒアルロン酸への結合を利用した精子の選別法です。

卵子の周りはヒアルロン酸で覆われています。

これまでによりよく成熟した精子はヒアルロン酸への結合力が高いこと、遺伝子であるDNAにダメージを受けにくいことがわかっています。

PICSIで胚盤胞到達率が上がることが報告されています。

●タイムラプス

培養器に内蔵されたカメラによって、発育中の卵を外に出すことなく、観察と培養が行えるシステムです。卵のストレスを減らします。

一定間隔で撮影するため、通常の培養より詳細な情報を得ることが可能です。

●ERA(子宮内膜受容能検査 )

通常の胚移植を行う時期に、子宮内膜が遺伝子レベルで肺を着床させる準備ができているかを調べる検査です。そういった時期のことを【着床の窓】などと呼ばれています。

形態良好な胚盤胞移植を複数回行っても着床しない「反復着床不全」の方を対象としております。

「反復着床不全」の3割に着床の窓のずれがあることが報告されているようです。

※検査周期に胚移植はできません。

●EMMA/ALICE(子宮内膜マイクロバイオーム検査/感染性慢性子宮内膜炎検査)

子宮内の細菌叢が、正常であるのか、異常であるのかまたその菌の種類の組成を判断する検査。

※一回の検体採取で上記の着床不全に関する【ERA /EMMA  /ALICE】3つ検査を同時に行うことができます

●子宮内膜スクラッチ

着床の前(およそD8から排卵日の2日前)にわざと子宮内膜に小さな傷をつける方法です。

傷つけると、内膜が治っていく過程で、インターロイキンなどのサイトカインを分泌します。

これらのサイトカインが着床の促進と免疫を正常にする働きがあるとの報告があります。

効果は大体2~3ヶ月続くと考えられているそうです。

●IMSI:高倍率による精子選別

顕微授精を行う際に、卵子に対する1個の精子を選ぶ必要があります。

培養師さんが、形や運動能力をを指標として良い精子を選別して顕微授精に供給する必要があります。

IMSIは通常の顕微授精を行う際の倍率よりもさらに高倍率で精子を観察する方法です!

これにより、通常の倍率では確認できない、形の異常をもつ精子を除くことができます。

●二段階胚移植法

まず初期胚を移植し、さらにその2~3日後(およそ受精後5日目)に胚盤胞を移植する方法です。

着床は、胚と子宮内膜の相互の応答によって成立すると考えられているため、初めに移植された胚がまず着床に適した状態に内膜を誘導し、続いて移植される胚盤胞の着床率を高めます。

●SEET法

胚を培養していた培養液の一部を、胚移植数日前に子宮に注入し、受精卵の着床に適した環境を作り出す方法です。

多胎のリスクを回避しつつ、2段階移植と同じような着床の促進を期待するものです。

 

Q、年度をまたぐ治療の場合はどうなるの?

●令和4年3月31日までに治療を開始して、年度をまたいで終了した治療について

原則、移行期の治療計画に支障が生じないよう、「年度をまたぐ一回の治療」については従来の助成金の対象となるようです。

助成内容:経過措置として、年度をまたぐ1回位分の治療に対し、現在の助成制度通りの治療が受けられるそうです。

申請期限:対象となる治療が終了した日の翌月から、2ヶ月位内の申請が必要

例)令和4年4月30日に治療終了→令和4年6月30日までに申請

●令和4年3月31日までに終了した治療について

治療が終了した日の翌月から、2ヶ月以内の申請が必要

例)令和3月31日に治療終了→令和4年5月31日までに申請

 

 

今回の保険適用開始で不妊治療がより身近なものとなると思います。治療への社会の認識や理解も向上するでしょう。

お子様を望む多くのカップルに幸せが訪れるよう、セラキュアも全力で応援してまいります! 

 

ミトコンドリアと妊活

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子供の頃、理科の授業で習ったミトコンドリア。最近、妊娠力UPに深く関係していると注目されています。

なぜ、ミトコンドリアが妊活に重要なのでしょうか?

ミトコンドリアは、エネルギーを作り出す工場です。体重の10%を占めていて、体全体のミトコンドリアを集めると、なんと頭と同じ重さになります。

脳や筋肉、肝臓、腎臓といったエネルギー要求度の高い重要臓器の細胞には、数百〜数千ものミトコンドリアが含まれています。特に卵子には多く含まれていて、10万個前後も存在すると言われています。卵子はそれだけたくさんのエネルギーを必要としている、ということですね。

ミトコンドリアは加齢により質が低下し、量も減少していきます。そうすると、体内で作られるエネルギーが不足してきます。最近疲れやすくなったなと感じている方は、もしかしたらミトコンドリアの活力の低下が関係しているかもしれません。

ミトコンドリアは、卵子の活性や成熟から受精に至るまでのエネルギーを作ります。ミトコンドリアの元気が無いと、その一連の流れがうまくいかなくなるため、卵子の減数分裂や受精、胚発育が妨げられることとなります。

2015年12月にはミトコンドリアを実際に使った最新の不妊治療として「オーグメント療法」が日本産婦人科学会倫理委員会にて臨床研究として承認されたと報告がありました。翌月の2016年1月には関西のクリニックで実際に治療が開始されています。

オー グメント療法(Autologous Germline Mitochondrial Energy Transfer (AUGMENT)) とは、卵子の中にあるミトコンドリアが卵子の質と大きく関与している事に着目し、本人の卵巣組織から卵子前駆細胞を抽出し、その細胞から元気の良いミトコ ンドリアを取り出し、顕微授精時に精子と共に注入し、体外受精の成功率を高めるという方法です。

胚の分割が途中で止まってしまったり、その結果として胚盤胞が出来ないような患者さんが対象となります。また、胚の中に多くの細胞のかけら(フラグメントといいます)が存在するためグレードが悪く妊娠できない方も適応になります。46歳以上になると核異常の頻度が高くなり、ミトコンドリアのある細胞質の改善をしても思った効果が得られない可能性が高いので、原則は45歳までとされています。現在までにカナダ、スペインなど海外5ヶ国で250症例以上が実施されており、31名の児が出生しています (2016年7月現在)。

つまり、ミトコンドリアの量や質を良くし元気にすることが、卵子の質を改善し、妊娠力アップに繋がるということになります。

では、どうしたらミトコンドリアを活性化できるのでしょうか?

お金をかけず、簡単にチャレンジできる方法がありますので、ご紹介します。

 

①空腹感を感じる

過食はミトコンドリアの質を低下させてしまいます。ポイントはAMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)という飢餓状態で働く酵素。この酵素がPGC1αというたんぱく質を活性化し、ミトコンドリアは作られますが、『満腹』状態になるとAMPKが働かずミトコンドリアが作られなくなってしまうのです。

そこでおすすめなのが、『プチ断食』です。1日のうち食べる時間を4〜8時間、食べない時間を16〜20時間とし、空腹感を感じて食事を摂るようにされると効果的です。

ただし、空腹のあまり急激に大量の食事を摂取してしまうのは逆効果ですのでご注意くださいね。

②有酸素運動

ややきつめの有酸素運動をすることで最も有効的にミトコンドリア が増加すると言われています。空腹でエネルギーが枯渇している状態で運動すると効果的です。最低でも30分以上は行いましょう。

効率的な運動方法があるのでご紹介します。

  1. 30秒小走りで走る。
  2. 脈が整うまで約1分間歩く。
  3. また30秒小走りで走る。

これを5分ほど続け、汗が出てきたら有酸素状態になっているサインなので、それから30分以上有酸素運動をおこなってください。

③朝日を浴びる

朝目覚めたらカーテンをあけ太陽の光を浴びましょう。できれば、5〜10分間『気持ちいい〜』と言葉に出し、背伸びをしてみてください。それだけでミトコンドリアは活性されます。

太陽の光は、体内時計を整え、セロトニンやメラトニンというホルモンをつくってくれます。
メラトニンは睡眠ホルモンとして、セロトニンは心を鍛えバランスを整えるホルモンとして有名ですが、その他にミトコンドリアを減らす天敵「活性酸素」を除去する働きがあります。

④短い時間で身体を冷す

お風呂から上がる時に冷水シャワーを浴びる、水風呂に入る、冬にTシャツを着る、など短時間で身体を冷すとミトコンドリアが活性されます。冷水シャワーの場合、温かいシャワーと冷たいシャワーを交互に浴びるとより効果的です。心臓が弱い方は避けて下さい。妊活中は、下半身の冷し過ぎにもご注意ください。

⑤鍼灸・マッサージ

マッサージによって筋細胞内でサイトカインと呼ばれる炎症性蛋白(たんぱく)の活性が減少し、新たなミトコンドリアの増殖が促進されることが報告されています。この研究は、医学誌「Science Translational Medicine(サイエンス ・トランスレーショナル医療)」オンライン版に2月1日掲載されました。鍼治療は、マッサージ同様サイトカインを抑制する事ができるので、ミトコンドリアの増殖促進の効果が期待できると考えられます。当院では鍼灸治療に加えて、指圧による筋肉の調整も一緒に行なっていますので、より効果的です。

ミトコンドリアが妊娠する為にとても大事なものだとお分かりいただけましたでしょうか?

皆さんもぜひこの機会に生活習慣を見直し、『ミトコン活』始めましょう♪

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

<業界初>不妊治療保険が販売開始されました!

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これから体外受精などの不妊治療を受けようと検討中の方、将来、不妊治療を受けるかも知れない方に朗報です!

業界初の試みで日本生命保険が、不妊治療の保険を売り出しました。

今まで公的な助成金でも賄われなかった体外受精も対象となります。

高額な治療費がかかり、治療を負担に思われていた方やあきらめていた方にとって、とても嬉しいニュースです。

ただし、40歳までという契約可能年齢や、契約から2年以上経っていないと保障を受けられないなどの制約がいくつかあります。

保障は満50歳まで受けられるようですので、現在30代で、今後40代で不妊治療を受ける可能性がある方は検討されてみると良いかもしれませんね。

 

朝日新聞の記事へのリンクはこちらから→

 

 

 

 

 

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