妊活専門鍼灸師ともに漢方を考える その③
妊活~東洋医学の視点から今回のテーマは漢方薬の副作用です。
漢方は5世紀から6世紀に中国から入ってきた医学が日本の風土や文化に応じて伝承されながら発展した医学です。漢方薬は天然の植物や鉱石、動物の一部または全部を加工したもので、特有の効果を持ちます。天然成分から作られた生薬であっても、効果がある一方で、副作用を持ち合わせているものがあります。
副作用にも要注意!
漢方薬服用において副作用を起こす主な原因を紹介します。
🔹生薬成分の量が多い
異なる漢方薬を併用して飲む場合、煎じ薬の場合は重複する生薬を調節することができますが、エキス剤では出来ません。例えば、甘草はエキス剤の約3分の2に含まれているので、甘草が含まれる生薬の併用が可能かどうかを漢方専門医や薬剤師に確認しましょう。
🔹アレルギー反応
食べ物でもアレルギー反応が生じるように、生薬でもアレルギーは起こることがあります。
🔹服用期間が長い
昔は漢方薬は症状が治ったら飲むのを止め、長く飲むことは有りませんでした。現代は寿命が伸びて慢性的な病気が増えたため、漢方薬を長期間服用するようになりました。その結果、昔は無かった副作用が報告される様になりました。長期的に飲み続ける場合には、医師の管理が必要です。
🔹漢方薬が症状や体質にあっていない
「誤治」といって薬と証があっていないことがあります。例えば、温めるべき人に冷やす薬を使うと、症状が悪化します。副作用が出たな、と思ったら、服用を中止して、医師または薬剤師に相談してください。
▼サプリやドリンクも要注意
サプリや栄養ドリンクにも生薬が使われていることがあります。長期で飲み続けたり、大量に飲んだりすると、副作用が起こることがあります。漢方薬と併用する場合などはラベルに書いてある成分をチェックして飲むようにしましょう。
副作用に気をつける生薬の例
<甘草(かんぞう)>
天然の甘味料として使われることもあり、漢方薬の7割に含まれ、食品や栄養ドリンクにも入っています。漢方薬の併用や、高齢者に副作用が起こり易いです。
主な副作用:むくみ、血圧上昇、低カリウム血症(不整脈、筋力低下、痙攣など)
<山梔子(さんしし)>
くちなしの実で、食用や染料にも使われています。便を緩くする作用があります。年単位で長期的に使うと重大な副作用が起こることがあるため、長期服用の場合は医師や薬剤師へ相談してください。
主な副作用:下痢、軟便
*長期服用の場合:特発性腸管膜静脈硬化症、腹部膨満感、腹痛、便潜血陽性
天然由来の漢方薬で無理なく体をケアしたい場合にも、できればご自身の判断だけで導入されずに、漢方専門医や薬剤師など専門家にご相談して飲むことをお勧めします。
鍼灸治療院セラキュアでは妊活や体質改善のために漢方薬を取り入れようと考えておられる患者様には、妊活専門知識のある鍼灸師が東洋医学的な観点からその方の体質を見極めた上で、専門薬剤師に処方を依頼することが可能です。漢方薬をご検討の方は是非一度ご相談ください。
妊活専門鍼灸師ともに漢方を考える その②
妊活~東洋医学の視点から今回のテーマは漢方薬の適した飲み方です。
漢方は5世紀から6世紀に中国から入ってきた医学が日本の風土や文化に応じて伝承されながら発展した医学です。
その中で取り扱われる漢方薬は生薬と言って、天然の植物や鉱石、動物の一部または全部を加工したもので、特有の効果を持ちます。
漢方薬の種類は主に3種類で、薬の名前が薬の飲み方と形を示しています。
漢方薬の種類
⚫︎湯剤、煎じ薬
名前の最後に「湯」「飲」のつくものは、「湯剤」「煎じ薬」といい、漢方薬の中で最も良く使われます。生薬を煮出し、生薬を取り除いたスープを数回に分けて飲みます。生薬の種類や量を調節出来るので、その人に合わせた調合が可能です。
例) 葛根湯(風邪のひき始め、肩こりなど)
茯苓飲(吐き気、胸焼け、胃の膨満感など)
⚫︎散剤
最後に「散」がつくものは、散剤です。抹茶のように生薬を粉末状にした薬で、即効性があります。煎じることで無くなる生薬の成分や香りも散剤であれば残っています。
水か白湯で飲みます。
例)当帰芍薬散(足腰の冷え、生理不順、むくみの改善など)
加味逍遥散(更年期のイライラや倦怠感、生理前のメンタル不調など)
⚫︎丸剤
生薬の成分をハチミツなどで丸い形にした薬です。
体内でゆっくり溶けるため、胃への負担が少ないです。
水か白湯で飲みます。
例)桂枝茯苓丸(下半身の冷え、のぼせ、生理痛など)
⚫︎エキス剤
湯剤のエキスを顆粒状や散剤にしたものです。お湯に溶かして飲みますが、飲みにくい場合には溶かさずに飲むこともあります。
漢方薬はいつ飲むの?
漢方薬を飲むタイミングは基本的に空腹時で、食事の30分前までか、2時間位前です。ただし、空腹時に飲むと胃がむかつく場合や、食間だと忘れ易い場合には、食後に飲んでも大丈夫です。
天然由来の漢方薬で無理なく体をケアしたい場合にも、できればご自身の判断だけで導入されずに、漢方専門医や薬剤師など専門家にご相談して飲むことをお勧めします。
鍼灸治療院セラキュアでは妊活や体質改善のために漢方薬を取り入れようと考えておられる患者様には、妊活専門知識のある鍼灸師が東洋医学的な観点からその方の体質を見極めた上で、専門薬剤師に処方を依頼することが可能です。漢方薬をご検討の方は是非一度ご相談ください。
待合室にさわやかなお花が届きました
待合室の季節のお花今回のタイトルは『シーサイドガーデンへようこそ!』
海辺の別荘の庭をイメージした作品です。
窓には小鳥が2羽お話していたり、麦わら帽子が飛んできたり。
美しいひまわりが咲きほこり、夏真っ盛りの今、
セラキュアで海の風を感じて頂けたらうれしいです。
華道家に島田光和様よりお言葉をいただきました。
とっても素敵でさわやかな作品で、夏の暑さを忘れさせてくれそうです 😎
ディテールにもこだわりがいっぱい詰まっていて、どこを切り取ってみても楽しませてくれます。
ぜひ、セラキュアにお立ち寄りの際にはじっくりご覧くださいね。
港区在住Y様(41歳)妊娠のご報告をいただきました
患者様のお声 〜妊娠・出産報告〜Y様は、3年前からタイミング法をスタートされて、人工授精を経て体外受精にステップアップ、当院には6回目の移植を控えたタイミングでご来院されました。
ご来院されて初めてにあたる6回目の移植は残念な結果になりましたが、次の移植までに不育症の検査をしながら、しっかり鍼とお灸でお身体を整えていきました。
それから不育症検査を無事に突破されて、いよいよ7回目の移植となり、着床のサポートの鍼をして初めて着床することができ、そのまま妊娠を継続されました。
妊娠中は、むくみや腰痛などのマイナートラブルをメンテナンスさせていただきました。
途中逆子になり、治療を続けましたが中々戻らず、予定帝王切開で母子ともご無事にご出産されました。
ご出産本当におめでとうございます。
現在は産後のメンテナンスのために通院されております。
①ご出産のときの様子を簡単にお願いいたします。(陣痛・破水・分娩時の状況など)
逆子だったため、予定帝王切開での出産でした。
②当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化してきましたか。
不妊治療を2年半ほど経てからの通院でしたが、前回身体の不調な箇所を的確に指摘されたり、マッサージを教えていただき、安心して通院することができました。
③当院に通院して1番良かったこと、嬉しかったことは何ですか。
妊娠し無事できたことです。本当にありがとうございました。
④治療中の過程で印象に残っているエピソードがあればお聞かせください。
仕事でのストレスが多い中での通院でしたが、リラックスできるマッサージを教えていただいたり、身体の凝りをほぐしていただいたおかげで、夫から「行く前と顔が違うね」と毎回言われたことです笑。
⑤同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。
私が不妊鍼灸を知ったのが不妊治療を始めて2年半経ってからだったので、もっと早く知りたかったと思いました。不妊で悩んでいる多くの方の選択肢になれば良いなと思います。
Y様、アンケートのご協力ありがとうございました。
セラキュアスタッフ一同、Y様のご健康とお子様の成長を心よりお祈りいたします。
不規則な就寝時間と長さが妊孕性に影響する?!
不妊症克服!〜日常生活〜心地良い睡眠は日々の疲れを癒しますし、健康のバロメーターでもありますね。逆に睡眠の乱れは糖尿病などの生活習慣病やメンタル不調などにも悪影響を与える事は知られていますが、妊娠にも影響をあたえることもわかってきています。
アメリカの雑誌に最近掲載された論文にも睡眠のとりかたが妊娠に影響がしているとの報告がされたのでご紹介します。
この研究はワシントン大学が関わってアメリカ中西部で行われたもので、妊娠を望む183名の女性の睡眠調査(就寝・起床時刻、睡眠時間)と妊娠するまでの期間を分析して、妊娠への影響を報告しています。→論文へ
A.睡眠開始時間のばらつきの大きさを4グループに分けて妊娠までの期間を比較したグラフ
B..睡眠時間のばらつきの大きさを4グループに分けて妊娠までの期間を比較したグラフ
この研究で分かったことは、日々の睡眠時間のばらつきが大きい女性は妊娠までに時間が長くかかっていたことと、日々の就寝時間のばらつきが大きい女性も妊娠に時間を要していたということでした。
着目したいのは、何時に寝るか何時に起きるかや、睡眠時間が長い短いは、妊娠に影響がでなかったにも関わらず、寝る時間や睡眠時間の日毎のばらつきが影響したと言う事です。
このばらつきが子宮や卵巣からでるホルモンに影響しているだろうと考えられます。
ホルモンのバランスを整えるのは自律神経です。そして、外界の変化や生活の乱れに対して体内の状態を一定に保つ力をホメオスタシスといいますが、ホメオスタシスにも自律神経の働きが大きく影響しています。
今回の研究と合わせて考えると、妊娠を成立させるためには自律神経系を整えることがとてもとても大切!と言う事です。
ではこの自律神経の働きを整えるためどうすれば良いでしょうか?
一般的には、規則正しい生活、適度な運動、バランスの取れた食事、十分な睡眠などが挙げられます。
そして、鍼灸も自律神経の働きを整えるには有効です。鍼灸治療が自律神経に及ぼす研究報告もあります。→論文へ
鍼灸でツボを刺激する事により、体の深部から自律神経の働きやホルモンバランスに働きかけます。過剰に興奮している神経の鎮静化に働くほか、リラックス効果で副交感神経を優位にさせ、血流改善で内臓機能も向上し、全体のバランスが整っていきます。
その結果、ホメオスタシスも良くなり妊娠に必要なホルモンにも良い影響が生まれます。
当院では東洋医学の考え方にもとづき、お一人お一人の体質や身体の状態を見極めながら、施術によるリラックス効果、骨盤の歪みを整えながら内臓機能を整え、血流を改善によって本来持ってる健康力を引き出していきます。
鍼灸治療は妊娠を望まれる方だけでなく、生活の乱れが気になる方、疲れが取れにくい方などにもおすすめです。
妊娠を望まれる方は勿論、季節の変わり目でのだるさや不快感、西洋医学的では原因の特定出来ない不調の際など是非鍼灸治療を試されてみてはいかがでしょうか。