シリーズ「妊娠できるからだ作り 第2回」 〜基礎体温について〜

シリーズ「妊娠できるからだ作り 第2回」 〜基礎体温について〜

妊活~東洋医学の視点から

「妊娠できるからだづくり」シリーズ第2回目

今回のテーマは、、、「基礎体温」です

前回、質のいい卵子を作る為には180日前からライフスタイルを含め、身体全体のバランスを整えていくことの大切さをお伝えしました。

そこで! その指針となるのが「基礎体温」。基礎体温とは、身体が一番安静な状態にあるときの体温のこと。朝起きて布団から出る前に測ります。

基礎体温をつけると、生理周期や排卵日など、女性の身体をコントロールしている女性ホルモンの動きが確認できます。そして毎日継続的に記録することであなたの身体のリズムが見えてきます。

健康的な女性の基礎体温をグラフにすると、下のグラフのような二相の曲線を描きます。


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めやすは、
●低温期と高温期の差が0.3度以上
●低温期から高温期へは1~3日以内に移行
●高温期が11~14日間維持している  
   

です。

この理想的な体温と比較して,基礎体温に下記のような特徴が出ている方はライフスタイルの改善と治療が必要です。

●低温期に体温がジグザク上がってしまう
 ストレスがたまっていたり、睡眠をしっかりとれてなかったりすると、低温期に体温があがりやすくなります。低温期に体温が安定しないと、卵胞や内膜の発育に悪影響がでます。
(ワンポイント対策
ゆったりした生活を意識
低温期は早めの就寝を心掛け、ストレスをためないようにしましょう。

●低温期から高温期への移行が3日以上かかる
 お身体の冷えが強い可能性があります。
(ワンポイント対策
 足湯がオススメ
 身体の内からも外からもしっかりあたためてあげましょう。

●高温期が短い、高温期に体温が下がる
 低温期に質の良い卵胞が成熟していない可能性があります。卵胞のクォリティが低いと、高温期に分泌される黄体ホルモンがしっかり分泌されず、体温が下がってしまいます。
(ワンポイント対策
 周期全体を通してのストレス、冷え、睡眠、食事、運動など全般的なライフスタイルの改善が必要です


今回は多くの方に見られる、冷えやストレスからくる基礎体温の乱れについてご紹介させていただいましたが、グラフのパターンは十人十色。一般的に2~3ヶ月間、基礎体温をつけていただくと、ご自分のパターンが見えてきます。そして、いつ、何を、どのように改善、もしくは治療をすればいいのかが見えてくるのです。


このように、排卵日や月経周期だけでなく、ライフスタイルや体調の変化も教えててくれる基礎体温。まだ基礎体温をつけたことがないという方は、是非この機会に始めてみませんか?


妊娠に向けた鍼灸治療では、基礎体温表を参考にしながら、月経周期に合わせて治療方法を変える周期療法を行なうことができます。基礎体温表をつけてる中で、不明点などありましたら、鍼灸師までお気軽にお尋ねください!

東京都品川区在住 A様(40歳)から妊娠のご報告をいただきました

患者様のお声 〜妊娠報告〜

A様は、タイミングと人工授精で結果が出ず、体外受精にステップアップされた時に、鍼灸治療を開始いたしました。

冷え性の体質改善を目標としながら、採卵と移植に向けての身体づくりをサポートさせていただきました。最初は基礎体温が35℃台だったり、高温期が長く続かなかったりしましたが、徐々に基礎体温も上がり始め、冷えが改善されていきました。

そして、最初の移植で妊娠しましたが、7週で成長がストップしてしまい流産。その後、しばらくは人工授精をされていらっしゃいましたが、当院でご紹介したクリニックに転院。そこでまた採卵から挑戦し、2回目の移植で妊娠されました。

A様、ご報告ありがとうございました。無事のご出産をお祈り申し上げております。

①当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化してきましたか?

仕事が忙しく出張などで不規則な生活になることも多かったので、改善のスピードは少し遅めだったかもしれませんが、手足の冷えは少しづつ良くなったと思います。あとは担当の鍼灸師さんに言われて心がけたこと(白砂糖はやめて、てんさい糖にするとか。夜は早く寝るとか)もすこしづつ体質改善になったんだと思っています。

②当院に通院して1番良かったこと嬉しかったことは何ですか?

なんと言っても妊娠できたこと!

③治療の過程で、印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。

1度流産してその後なかなか結果が出なかったのですが、その妊娠した時の状況(ホルモン補充していたのに排卵してしまった)から、自然周期をすすめて頂き、結果的に自然周期に近いやり方での移植でうまくいきました。病院でのフレキシブルな対応のおかげでは、もちろんあるのですが、ここで頂いたアドバイスもとても大きかったと思います。

④同じような症状で悩んでいる患者様へのアドバイスやメッセージをお願いします。

個人的な考えになりますが、私はあまり妊娠について考えすぎない、気にしすぎない方が、良いのではないかと思いました。(①で欠いたことと少し矛盾しますが、、)今回の移植周期の前から基礎体温をつけるのもすっぱりやめてしまいましたし、移植前後や妊娠後の体調とかについてスマホで調べることもほとんどせず、なるべく普段通りにすごすことでストレスなくうまくいったのかな?と思ってます。ストレスや不安な気持ちは一番良くないらしいので、ゆったりとした気持ちでその時を待ってみて下さい!

A様、ご報告ありがとうございました。

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東京都目黒区在住 N様(30歳)より出産のご報告をいただきました

患者様のお声 〜出産報告〜

N様は自然妊娠されましたが流産され、その後クリニックの検査でAMHが低いとわかり非常にショックを受けられたそうです。その後タイミング療法からスタートされ、3回目のタイミング療法中に当院にて鍼灸治療を始められました。

週1回の鍼灸治療を行い、6回目のタイミングで自然妊娠され、妊娠中も週1回の鍼灸治療を継続して受けられて、無事ご出産されました。

鍼灸治療を受けられて、リラックスしていただけただけでなく、不妊治療中の落ち込みがちな気持ちを前向きに切り替えられるようになったとのこと、私どもも大変嬉しく思います。

 

①ご出産時の様子を簡単にお願いいたします。

出産の数日前より、おりものに血が混じる事があり、出産日に自宅で破水しました。すぐ病院へ向かい、入院。陣痛はまだなかった為、促進剤を使用しました。規則的に痛みが来るようになり、呼吸を整えるよう意識していましたが、赤ちゃんの頭がなかなか出てくれなくて、最終的には吸引分娩となりました。その後の母体回復は順調でした。

②当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化しましたか?

とてもリラックスできるようになりました。それまで落ち込みがちだった気持ちをうまく切り替えられるようになった気がします。赤ちゃんを授かれる身体作りをプラスに考えられるようになりました。

③当院に通院して1番よかったこと嬉しかったことは何ですか?

いろいろな悩みを親身になって聴いて頂けたことです。生活でどのような事に心がけたら良いか、丁寧に教えて下さり、私も前向きになる事が出来ました。おかげ様で、赤ちゃんを授かる事が出来て、出産を迎え、本当に感謝しております。

④治療中の過程で印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。

不妊治療がうまくいかず、辛い気持を受け入れて下さったうえで、私の体調を整えるようにまず頑張ってみましょうと提案して下さった事です。根本的に私の身体を整え、赤ちゃんを授かれる様に考えて下さっているのだと感じ、嬉しかったです。

⑤同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。

不妊治療を受けている時は、デリケートな部分もあり、相談しづらい事もあると思います。セラキュアさんは私にとって、とてもリラックスできる場所でしたので、同じように感じて頂ける方が増えると嬉しいです。

N様、ご報告ありがとうございました。

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東京都渋谷区在住 M様(39歳)より出産のご報告をいただきました

患者様のお声 〜出産報告〜

M様は自然妊娠から流産を経てクリニックに通院されました。当院で鍼灸治療を始めて1回目の体外授精でお子様を授かり、無事ご出産されました。その後、2人目をご希望とのことで再び当院にて鍼灸治療を再開され、5回目の体外授精で妊娠されご出産されています。妊娠を目的に鍼灸を始められましたが、生理周期に合わせた治療と共に、その時々の体調に応じた治療をすることで体調自体が良くなったとおっしゃっていただけ、私どもも大変嬉しく思っております。

①ご出産時の様子を簡単にお願いいたします。

6/25深夜に陣発するも中々本陣痛にならず、18時に女児誕生。破水はなし。自然分娩。

②当院に通院するようになって心身の状態はどのように変化しましたか?

不妊治療での通院でしたが、その時々の体調に応じた治療もして頂き、体調自体もよくなりました。

③当院に通院して1番よかったこと嬉しかったことは何ですか?

持病のめまいが改善されたこと。

④治療中の過程で印象に残っているエピソードがあればお聞かせ下さい。

めまいが治ったとお伝えしたらとても喜んで頂けたこと。

⑤同じような症状で悩んでいる患者様へアドバイスやメッセージをお願いします。

不妊治療は先が見えず、終わりがわからない為、気持ちの持って行きようが難しいと思います。自分の性格にあった進め方で少しでもストレスを少なくするのも大切かもしれません。

M様、安産のご報告ありがとうございました!

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シリーズ「妊娠できるカラダ作り」スタート!

妊活~東洋医学の視点から

当院はスタッフ全員が女性鍼灸師ですので、女性ならではのデリケートなお悩みも気軽にご相談いただけるのが強みの一つ。不妊症に悩まれている方も数多くご来院いただいております。

そこで、知っているようで知らない“妊娠できるカラダを作るために大切なこと”を、今回より10回シリーズでお伝えしていきたいと思います





第1回目は、「意外と知らない卵子のお話」です。



早速ですが、皆さんは毎月排卵される卵子が、何日かけて育ったものかご存知ですか



月経の周期毎に新しい卵子が生まれて、育って、排卵される!と思っている方も多いのではないでしょうか。



答えは、、、、



約180日です



排卵される卵子の元となる原始卵胞は、私達がお母さんのお腹の中にいる胎児の頃に一生分用意されています。排卵の約180日前に眠っていた原始卵胞が目覚めて成長をはじめ、第一次卵胞→第二次卵胞→成熟卵胞と成長をして排卵にいたります。



スタートの段階では複数の卵子が同時に成長をはじめます。このぷくぷくと成長をしている複数の卵子の中から、一番大きくなった成熟卵胞が選ばれ排卵されます。つまり「質より大きさ」が優先されるので、育ってくる卵子のストック全体の質を高め「どれが選ばれても大丈夫!」という状態を作っておくことが、妊娠するためにとても大切です。



では、質のよい卵子を作るにはどうしたらいいのでしょうか



180日間かけて成長していくわけですから、排卵日の前だけでなく、180日前=約半年前からライフスタイルを見直す必要があります。私達が寝不足になったり、しっかり栄養をとらないと肌がカサカサ/疲労困憊になってしまうのと同じように、卵子も栄養不足/睡眠不足ではクォリティが低下してしまいます



しっかりと栄養をとって、十分な睡眠をとり、気血をめぐらせ温かいカラダをつくることが、良いホルモンバランスを保つためにも必要ですし、良いホルモンバランスを保つことで卵子の質を高めることができるわけです。



では、体質別にはどんなことが必要になってくるのか?

次回からさらに詳しくお伝えしていきますどうぞお楽しみに

妊活中のカフェイン摂取について

不妊症克服!〜食養生〜

「妊娠中のカフェインは控えた方がよい」ということは聞いたことがあるけれど、妊活中はどうなのでしょうか?そんな疑問を持っている方も多いと思います。

今回は不妊とカフェインの関係についてお話していきます。

カフェで、オフィスで、ご自宅で。一杯のコーヒーを、ご自身のリフレッシュやリラックス方法にしている方も多いと思います。

コーヒーや紅茶の香りには、気持ちをリラックスさせる「アロマ効果」も。

また、「カフェインがないと、体がさめない」と朝一杯のコーヒーを日課にしている方もいらっしゃることでしょう。

コーヒーに含まれるカフィンには脳の神経を元気にさせてくれる「覚醒効果」がある分、過剰に摂り過ぎてしまうと、興奮状態が続いて夜の睡眠の質を低下させたり、カフェインを摂らないと元気がでない「カフェイン依存」の身体になったりしてしまうこともあります。


まず最初に、簡単なカフェイン依存度チェックをしてみましょう。これらの症状に2つ以上当てはまる方は、「カフィン中毒」になっている可能性があります。

一日にカフェイン飲料を5杯以上飲む
カフェインを摂らないと、集中力が無くなることが多い
朝のコーヒーがないと、睡眠はとれているのに眠気がとれない
カフェインを摂らないと身体がシャキッとしない
栄養ドリンクを常用している
カフェインを摂らないと頭痛がする



いかがでしたか? 2つ以上当てはまる方はカフェイン依存体質になっている可能性がありますので注意しましょう。依存が高くなるにつれてカフェイン感受性が鈍り、摂取量がどんどん増えてしまいがち。無理にやめると禁断症状が出るため、やめることが難しくなります。

2つ以上当てはまらなかった方も、たまに飲む緑茶やコーヒーがはたして妊活にどのような影響を及ぼすのか気になりますよね。

では、カフェインの特性について見ていきましょう。


<カフェインのメリット>
①頭をシャキッとしてくれる「覚醒効果』
カフェインは脳の司令塔に直接働きかけて、活動モードである交感神経のスイッチをいれてくれます。ただし、カフェインを摂取しないと頭がボーッとするという感覚は、カフェイン依存体質になっている可能性が高いので注意が必要です。

②ストレス解消に「アロマ効果」
コーヒーの香りを嗅ぐと、リラックスする時に多く出る脳波のα波が現れることが実験でわかっています。(杏林大学)※研究で使用されたコーヒー豆は、ブラジルサントス、グアテマラ、ブルーマウンテン、モカマタリ、マンデリン、ハワイコナの6種類です。実験の結果、α波が最も多く出現したのが、グアテマラとブルーマウンテン。コーヒー豆により差があるようです。

③抗酸化作用
カフェイン飲料に含まれるポリフェノールには、活性酸素を除去する効果があります。またコーヒーを毎日飲む人は、全く飲まない人に比べて大腸ガンや肝臓ガンの発症リスクが半減していることが分かっています。(愛知県がんセンター)ただし、後で詳しく触れますが鉄分と一緒に摂取すると、鉄の吸収を阻害してしまうので、取り方には注意が必要です。

④脂肪燃焼効果
カフェインには脂肪分解酵素を活性化させ、脂肪燃焼を促進する効果があります。また食後にコーヒーを飲む人は、食後の血糖値上昇が抑制され、糖尿病リスクが軽減されるというデータも報告されています。(九州大学)
*血糖値が上昇し、血中のインスリンが多い状態が続くと男性ホルモンが増えてしまい、卵巣と下垂体の働きが乱されて、妊娠しづらくなります。高いインスリン抵抗性は、多能胞性卵巣症候群(PCOS)や自然流産の原因である可能性も高いと指摘されています。(ブログ:妊活中の糖分摂取

メリットだけ見てみると、妊活中でもカフェインを摂取しても良い気がしてきますね。次はカフェイン飲料が、妊娠出産の為のカラダ作りどのような悪影響を及ぼすのか見ていきましょう。


<妊活におけるカフェイン摂取の悪影響とは?>
①冷え体質になります
カフェインを摂取すると、元気が出たり頭がシャキッとしたりします。これは活動モードの交感神経を活発化させてくれているから。交感神経は血管収縮作用があるため、あまりに多飲すると冷えや自律神経の乱れにつながります。

②卵子が老化する可能性
カフェインの体内残存時間は人によって差はありますが、おおよそ4~7時間。少量は12時間後でも体内に残っていると言われています。「15時のおやつにコーヒー」は、睡眠時にカフェインの影響が残ってしまうため睡眠の質を低下させます。睡眠の質が低下すると、「メラトニン』や「成長ホルモン』の分泌が低下するため、卵子への抗酸化作用も低下します。(ブログ:メラトニンの卵子クオリティ改善効果

③「血」が不足する?!
東洋医学では、妊活中の女性にとって「血」は大切な要素。子宮内膜をふかふかにしたり、ホルモンを届けたり、子宮を温めるなど大切な役割を担っています。カフェイン飲料に含まれるタンニンやグルコン酸などのポリフェノールは鉄分の吸収を阻害する作用があり、もともと鉄欠乏性貧血になりやすい女性は摂取方法に注意が必要です。

④栄養吸収力が落ちる?!
カフェイン飲料に含まれる「タンニン」は、過剰に摂取すると胃粘膜を傷つけることも。消化器系の機能低下は、栄養吸収力の低下につながります。胃酸過多や胃腸虚弱の体質の方は、食前にカフェインを摂るのは控えましょう。


前述のようにカフェインには良い点がいくつかあるものの、デメリットの影響を考慮し、当院では妊活中のカフェインを控えるようお伝えしています

妊娠出産に向けてカフェインをたくさん摂っている方は減らしてくことが理想ですが、突然ストップすると禁断症状が出て体調を崩してしまうこともあります。

不妊治療中の最大の敵は「ストレス」です。いきなりカフェインをゼロにしてストレスがたまるのであれば、薄めのコーヒーや紅茶を適量飲むなどご自分の体調やカフェイン感受性を確認しながら、徐々に量を減らしていきましょう。

カフェイン摂取を少しずつ減らしていく段階では、
「午前中」
「食後に」
「1~2杯まで」
を意識してみましょう。

デメリットとメリットは表裏一体。カフェインに限らず、どんな食べ物でも体にいい影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。妊活中は様々な情報に迷うことも多いと思いますが、両方の側面を理解した上で、ご自分のライフスタイルにどのように取り入れるかを判断していただきたいと思います。私たち鍼灸師も一緒に考えながら、妊娠に向けたお身体作りをサポートさせていただきます

 

食生活・ライフスタイルは人によって様々。当院では一日も早く健康を取り戻していただけるよう、お一人お一人に合わせたアドバイスもさせていただき、妊活をサポートいたします。お気軽にご相談ください。

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